眼の病気・基礎知識

2.その他主な眼の病気


緑内障

緑内障とは、その人の目の耐えられる圧力を超えて、眼の固さである眼圧が高くなる事により視神経が圧迫されて、障害が起こる事により、徐々に見える範囲(視野)が狭くなる病気です。また、緑内障はいくつかのタイプに分類されますので、ご紹介したいと思います。

0.緑内障(りょくないしょう)

りょくないしょう

緑内障


緑内障(りょくないしょう、glaucoma)は、視神経が損傷し、視力が低下する病気の総称です。
主に眼圧の上昇が原因となり、その他にも視神経の障害や血流不足が原因で、視神経が被害を受けることがあります。
緑内障は、症状が進むと視界が欠けたり、最終的には失明に至ることがあります。そのために早期発見と治療が重要です。
 

主なタイプ

開放隅角緑内障最も一般的なタイプで、眼内の排水路(隅角)が徐々に鈍くなり、眼圧が上昇します。初期には症状がほとんどなく、視神経が被害を受けて視野が狭いなるまで気づかないことが多いです。
閉塞隅隅角緑内障目の隅角が大きく閉じ、眼圧が急激に上昇するタイプです。かなりな目の痛みや視力低下、吐き気などが起こることがあります。
正常眼圧緑内障眼圧が正常範囲内であっても、視神経にダメージを与えるタイプです。視神経の血流不足や神経自体の感受性の異常が関与していると考えられています。

 

主な原因

眼圧の上昇:眼内の液体(房水)の排出がうまくいかず、眼圧が上昇することが最も一般的な原因です。
遺伝的要家族に緑内障の人がいると、発症リスクが高くなります。
年齢:年齢が上がるにつれて、緑内障のリスクが生じます。
その他の疾患:糖尿病や高血圧、心血管疾患など関連するものもあります。

 

症状

発見:進行が遅いため、初期段階では進行症状が分からないことが多いです。
視界欠損:初期段階では、視界の中心が保たれ、周辺視界から消え始めます。
目の痛みや頭痛:急性の閉塞隅角緑内障では、眼圧上昇に伴って、目の痛みや頭痛、吐き気、視力低下が顕著に現れることがあります。
虹視:眼圧が上昇すると、光が視界で異常にぼやけて見えたり、虹のような輪が見えることもあります。
体力低下:病気が進行すると、体力の低下が途中で、最終的には失明に至ることもあります。

 

診断方法

緑内障の診断には、以下の検査が行われることがあります:

眼圧測定:眼圧が高いかどうかを確認します。正常な眼圧は10~21mmHgの範囲ですが、緑内障が進行している場合はこれを超えることがあります。
神経の検査:視神経の状態を観察するために、眼底検査やOCT(光視干渉断層計)などの画像検査が行われます。
視野検査:周辺視野の欠損を早期に発見できます。
隅角検査:目の隅角が開く、閉めるを確認するために、隅角検査が行われることがあります。

 

治療方法

緑内障の治療は、主に眼圧を下げることを目的としています。
治療法には以下のものがあります:

薬物療法
 ・点眼薬:眼圧を下げるために使用される最も一般的な治療法です。例えば、プロスタグランジン類似薬やβ遮断薬、α2アドレナリン受容体活性薬などがあります。
 ・口服薬:眼圧が非常に高い場合や、点眼薬だけでは効果が慎重な場合に使用されます。例えば、炭酸脱水酵素阻害薬があります。
レーザー治療
 ・レーザー線維柱帯形成術(SLTやALTなど):目の排水機構を改善するために、レーザーを使用する方法です。これにより、眼圧を下げることができます。
 ・レーザー虹彩切開術:閉塞隅角緑内障の場合、目の虹彩に小さな穴を開け、房水の排出を改善するために行います。
手術
 ・線維柱帯切開術:目の中の液体が正常に排出できるように、外科的に手術を行います。
 ・緑内障シャント手術排水の機構を作るために、チューブを目の中に挿入する手術です。

 

予防と生活習慣

緑内障は早期に発見し、治療を受けることができるよう守るために重要です。予防や生活習慣としては、定期的な眼科検査が推奨されます。また、以下のようなことがあります:
眼圧を管理する:眼圧を定期的に測定し、治療を受けることが大切です。
健康的な生活習慣:健康的な食生活や運動、禁煙が推奨されます。
ストレス管理:ストレスが緑内障の進行に影響する可能性があるため、適切なストレス管理を心がけることが重要です。

 
緑内障は進むが遅いため、初期に診断され、治療を開始するために戦闘を守るために非常に重要です。

1.原発緑内障(げんぱつりょくないしょう)

げんぱつりょくないしょう

■原発緑内障


原発緑内障(げんぱつりょくないしょう、primary glaucoma)は、特定の原因がなく、眼圧の上昇が視神経にダメージを与える緑内障の一種です。
そのため、「特発性緑内障」とも呼ばれることがあります。
 

原発緑内障の種類

原発緑内障は、いくつかのタイプに分類されます:

開放隅角緑内障(慢性緑内障):かいほうぐうかくりょくないしょう
最も一般的なタイプで、目の排水路(隅角)が徐々に細くなり、眼圧が上昇します。初期には症状がほとんどなく、視神経にダメージが進むまでなかなかできないことが多いです。
閉塞隅角緑内障(急性緑内障):へいそくぐうかくりょくないしょう
目の隅角が徐々に閉じ、眼圧が急激に上昇することによって発症します。このタイプはかなりな痛み、視力低下、吐き気、頭痛などの症状を伴い、緊急の治療が必要です。
正常眼圧緑内障:せいじょうがんあつりょくないしょう
眼圧が正常範囲内であっても視神経にダメージを与えるタイプの緑内障です。このタイプは視神経の血流や神経の感受性の異常が原因とされています。

 

原発緑内障の特徴

進行が遅い: 症状が進むまで気づきにくいことが多いです。
・視野欠損: 眼圧が高まることによって、視神経がダメージを受け、視界が欠けていきます。

 

原発緑内障の治療

原発緑内障の治療は、眼圧を下げることが主な目標です。
治療法としては、以下のものがあります:

薬物療法:点眼薬や経口薬によって眼圧を下げます。
手術: 眼圧がコントロールできない場合、手術が行われることがあります(例、線維柱帯切開術やシャント手術)。
レーザー治療:レーザーを使用して、目の排水機構を改善する治療法があります。

 
原発緑内障は早期発見と治療が重要であり、定期的な眼科検査が推奨されます。

2.原発解放隅角緑内障(狭義)(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)

げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう

■原発解放隅角緑内障


原発解放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう、Primary open-angle glaucoma;POAG)は、緑内障の中でも最も一般的なタイプです。
以下のような特徴があります。
 

特徴:

隅角が開いている
 ・隅角(ぐうかく;虹彩と角膜の間の角度)は正常で開いている状態です。
 ・隅角が閉じることによって眼圧が上昇する「閉塞隅角緑内障」とは異なります。
眼圧が上昇
 ・房水(ぼうかい;目の中を循環する液体)が十分に排出されないため、眼圧が徐々に上昇します。
 ・ただし、正常眼圧緑内障のように眼圧が正常範囲でも進む場合があります。
慢性的で進行が緩やか
 ・症状が現れるのは病気が進行してからで、初期には症状がほとんどありません。
 ・徐々に視神経が損傷し、視野が狭くなります。進んでいくと視力を完全に失う可能性もあります。

 

症状:

初期には無症状当面の症状はほとんどなく、なかなかないうちに進むことが多いです。
トンネル視野:病気が進行すると、周辺視野が見え始めます(トンネル視野)。
視力低下:最終的に失明に至ることがあります。

 

原因:

房水の排出不全隅角は開いていても、房水が排出されるシュレム管や線維柱帯に問題があるため、眼圧が上昇します。
遺伝的要因家族歴がある場合、発症リスクがあります。
年齢主に40歳以上で発症率が上がります。
他のリスク因子高血圧、糖尿病、近視など。

 

治療:

眼圧を下げる :
 ・目薬(プロスタグランジン製剤、β遮断薬など)。
 ・内服薬や点滴を置く場合もあります。
レーザー治療 :
 ・線維柱帯の排液を改善するための治療(レーザー線維柱帯形成術)。
手術 :
 ・薬物やレーザー治療で改善しない場合、外科的手術(トラベクレクトミーなど)を行うことがあります。

 

重要性:

早期発見と治療が非常に重要です。
定期的な眼科検診により、早期に診断・治療を行うことで進むことが大切です。視神経の損傷は不可逆的であり、一度損傷すると回復しません。

 
原発解放隅角緑内障は、無症状のまま進行するため「サイレント・シーフ(静かな泥棒)」とも呼ばれます。特に、40歳以上や家族歴がある方は、定期的な眼圧測定と視神経検査が推奨されます。

3.正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)

せいじょうがんあつりょくないしょう

■正常眼圧緑内障


正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう、Normal-Tension Glaucoma, NTG)は、眼圧が範囲(通常10〜21 mmHg)であるにもかかわらず、視神経に障害が起こる緑内障の一種です。
アジア人に多く見られる特徴があります。
 

特徴

正常な眼圧
眼圧が通常の範囲内に収まっているのではなく、視神経が損傷します。
眼圧は直接の原因ではないもの、視神経が眼圧に対して敏感である場合があります。
障害
周辺視野から欠損が始まり、進むと狭い視野になることがあります。
症状がゆっくり進むため、初期には気づきにくいことが多いです。
血流不足の関与
視神経の血流障害が関与していると考えられます。
高血圧や低血圧、動脈硬化などのリスク因子になることがあります。
日本人に多い
特に日本人では緑内障全体の半数以上を占めている、重要な病型です。

 

症状

初期には無症状視界の欠損が進むまで、気づくことが難しい場合が多いです。
視野が狭くなる病気が進行すると、周囲からの視野が欠け、最終的に失明に至ることがあります。

 

原因

 ・視神経の感受性の異常
 ・血流障害(視神経乳頭の血行不良)
 ・遺伝的要因
 ・低眼圧環境でも視神経が被害を受ける個体差

 

診断

視野検査周辺視野の欠損を確認します。
眼圧測定正常範囲内であることを確認します。
眼底検査視神経乳頭の変化を観察します。
OCT検査視神経線維層の損傷を調べます。

 

治療

眼圧を下げる治療
 ・眼圧を正常範囲のさらに低いレベルに注目して、視神経の損傷を抑制します。
 ・目薬(プロスタグランジン製剤、β遮断薬など)がよく使われます。
血流改善
 ・血流障害が疑われる場合には、血流を改善する治療が行われることもあります。
レーザー治療・手術
 ・薬物療法で効果が慎重な場合に検討されます。

 

予防・注意点

定期的な眼科検診が重要です。
特に40歳以上や家族歴がある場合は、視力検査や眼圧測定を行い、早期発見を心がけましょう。
血圧管理や全身の健康状態の維持も、進行を防ぐために役立ちます。

 
正常な眼圧緑内障は、早期発見が難しいため、定期検査と適切な管理が視覚を守る鍵です。

4.原発閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりゅくないしょう)

げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう

■原発閉塞隅角緑内障


原発閉塞隅角緑内障げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう、Primary angle-closure glaucoma;PACG)は、緑内障の一種で、虹彩と角膜の間にある隅角が閉じることで房水の排出が弱く、眼圧が上昇する病気です。
急性型と慢性型の2つに分けられます
 

特徴

隅角の閉塞
 ・隅角(房水排出する通路)が無意識的に症状が進行し、最終的に閉塞することで、患者が無自覚のうちに房水がたまり、眼圧が上昇します。
 ・徐々に進行する場合(急性型)と徐々に進行する場合(慢性型)があります。
眼圧の大幅な上昇(急性型の場合)
 ・突然の激しい症状を伴うことが多く、迅速な対応が必要です。
進行的な進行(慢性型の場合)
 ・ゆっくりと進むため、症状に気づきにくい場合があります。

 

症状

急性型 :
 ・突然の目の痛み
 ・頭痛や吐き気
 ・視力の急激な低下
 ・虹輪視(光の周りに虹が見える)
 ・眼球が硬くなる(触るとわかるほど)。
 
慢性型 :
 ・現症状がほとんどないことが多い。
 ・視野欠損が徐々に進んでいる。

 

原因とリスク因子

構造的な問題
 ・虹彩が前方に押し出されて隅角を閉じます。
リスク因子
 ・年齢(特に高齢者)
 ・女性(男性より発症率が高い)
 ・遺伝的要因
 ・遠視の人(眼球が小さく、隅角が狭くなりやすい)

 

診断

隅角鏡検査隅角の開き具合を評価します。
眼圧測定高い眼圧を確認します。
眼底検査視神経乳頭の変化を確認します。

 

治療
急性型の場合(緊急対応が必要):

薬物治療眼圧を速やかに下げるために、点滴や目薬、内服薬が使われます。
レーザー治療
 ・レーザー虹彩切開術: 虹彩に小さな穴が出て房水の流れを改善。
手術虹彩や線維柱帯の構造を調整する手術。

 

慢性型の場合:

薬物治療眼圧を下げる目薬を使用します。
レーザー治療や手術隅角を開放して房水抜きを改善する。

 

予防と注意点

定期検診隅角が狭いと診断された場合、早めに対応することで緊急発作を防ぎます。
家族歴の確認家族に緑内障患者がいる場合は受診することが重要です。

 
全体発射閉塞隅角緑内障は、急性型の場合、失明のリスクが
高いため早期発見・早期治療が重要です。 定期的な眼科検診によってリスクを早期に把握し、適切な予防策が考えられるを守る鍵となります。

 
げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう[きゅうせいがた]

原発閉塞隅角緑内障[急性型]


原発閉塞隅角緑内障(急性型)は、目の中の房水(眼内液)の流れが非常に急性に驚かされることによって眼圧が急上昇し、視神経が被害を受ける病気です。
急性型は、症状が速やかに現れるため、迅速な治療が必要です。
 

原因

目の前房(角膜と虹彩の間の空間)の構造が狭いことが主な原因です。この状態では、虹彩が角膜に近づき、房水が排出される隅角を塞いでしまうことがあります。この結果、房水が目の中に過剰に増え、眼圧が大幅に上昇します。

 

主な特徴

急激な眼圧上昇正常な眼圧は10~21mmHg程度ですが、急性型では数時間から数日の間に非常に高い眼圧(30~50 mmHg以上)になることがあります。
症状
 ・激しい眼痛
 ・視力低下
 ・頭痛(特に片側性)
 ・吐き気や嘔吐(眼圧上昇による迷走神経の刺激)
 ・虹輪視(光の周囲に虹のような輪が見える)
 ・目の充血と角膜浮腫(角膜が曇って見える)
瞳孔の拡大(散瞳)瞳孔が中程度で固定され、光に対する反応が鈍くなることがあります。
目の硬さ眼圧が上昇することで、視覚接触と硬く感じられることがあります。

 

診断

眼圧測定高い眼圧が確認されます。
隅角検査(隅角鏡検査)隅角が閉塞していることを確認します。
眼底検査視神経乳頭に障害が見られる場合があります(慢性化した場合)。

 

治療

急性型原発閉塞隅角緑内障は緊急の治療が必要です。以下の手順で対応します。

薬物療法
眼圧を下げる薬
  ・炭酸脱水酵素阻害薬(例:アセタゾラミド):房水の生成を抑えて眼圧を下げます。
  ・浸透圧利尿薬(例:マンニトール):血液の浸透圧を高めて眼球内から房水を抜き、眼圧を下げます。
  ・瞳孔制限薬(例:ピロカルピン):虹彩を狭め、隅角を開くことで房水の流れを改善します。
  ・β遮断薬(例:チモロール):房水の生成を減らして眼圧を低下させます。
レーザー治療
 ・レーザー虹彩切開術(レーザー虹彩切除術):虹彩に小さな穴があいて、房水の流れを確保します。この処置により急性症状を改善し、再発を防ぎます。
外科的治療
  ・虹彩切開術や隅角手術が選択される場合があります。薬物やレーザー治療が効果を発揮しない場合に実施されます。

 

急性発作後の管理

急性期の治療が成功しても、再発や慢性化のリスクがあります。そのため、以下のような管理が必要です:

 ・眼科検診
 ・片目に発作が起きた場合、もう片方の目も予防的にレーザー治療を行うことが推奨される場合があります。

 

予後

 ・正しくに治療が行われれば、知覚を残すことが可能です

 ・隅角が狭い(または閉塞している)がまだ症状が現れていない場合は、定期的な検査や予防治療を行うことが非常に重要です。

 
早期発見・早期治療が、急性型原発閉塞隅角緑内障の視機能を守る鍵です。疑わしい症状があればすぐに眼科を受講してください。

 
げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう[まんせいがた]

原発閉塞隅角緑内障[慢性型]


原発閉塞隅角緑内障(慢性型)は、目の中の房水(眼内液)が隅角(房水が排出される部分)で徐々に閉塞されることで眼圧が上昇し、神経視覚が損傷を受ける病気です。
急性型とは異なり、ゆっくりと進行し、現症状がほとんど現れないため、発見されにくいのが特徴です。
 

原因

慢性型は、隅角が狭い目の構造(隅角狭)によって生じます。
 ・虹彩が前方に目立って隅角を徐々に狭める。
 ・房水の排出が突然起こることで、眼圧が徐々に上昇することがあります。
 ・虹彩前癒着(虹彩が隅角にくっついてしまう)。
 

主な特徴

緩やかな進行
 ・症状がゆっくり進むため、なかなか分かりにくいことが多い。
 ・現症状が現れるには視神経がかなりの被害を受けている場合があります。
軽度の症状または無症状
 ・視野欠損(初期には中心視野ではなく周辺視野から障害が始まる)。
 ・軽い目の疲れや不快感。
眼圧の変動
 ・一時的に眼圧が上昇し、その後正常範囲に戻ることがありますが、一時的に視神経にダメージを与える可能性があります。

 

診断

眼圧測定眼圧が正常範囲内にあっても(正常眼圧緑内障)、隅角の構造や視神経の状態を検査する必要があります。
隅角検査隅角の状態と、房水の流れが正常かどうかを確認します。
視野検査視野に欠損がないか調べます。
眼底検査視神経乳頭陥没拡大(視神経が損傷した)がないか確認します。

 

治療

慢性型は早期発見と適切な治療で進行することが可能です。

薬物療法
 ・眼圧降下薬(例:遮断薬、プロスタグランジン類似薬):β眼圧を下げて視神経への負担を軽減します。
レーザー治療
 ・レーザー虹彩切開術虹彩に小さな穴を開け、房水の流れを改善します。
 ・レーザー隅角形成術隅角を広げる処置が行われることもあります。
外科手術(必要に応じて)
 ・房水の流れを確保するための隅角手術や濾過手術を行う場合があります。

 

慢性型の管理と予後

 ・特に片眼が急性型を発症している場合、反対側の目も慢性型または隠れた隅角狭の可能性があります。
 ・慢性型は放置すると視野が狭くなり、最終的に失明
に至ることもあるため、早期診断が重要です。
 ・治療の目的は眼圧をコントロールして視神経のダメージを防ぐことです。

 
慢性型は「静かな病気」とも呼ばれ、症状がない場合でもリスク因子がある人は検査を受けることをお勧めします。

5.続発緑内障(ぞくはつりょくないしょう)

ぞくはつりょくないしょう

■続発緑内障

続発緑内障(ぞくはつりょくないしょう、secondary glaucoma)は、他の目の病気や全身疾患によって発生する緑内障の種類です。
続発緑内障は、別の疾患や障害が原因で眼圧が上昇し、その結果、視神経にダメージを与えることによって発症します。
 

続発緑内障の原因

続発緑内障は、以下のような様々な原因が引き金となります:

外傷:眼に直接的な傷や衝撃が起きると、眼内の排液機構が障害され、眼圧が上昇することがあります。
目の炎症:ぶどう膜炎(ブドウ膜炎)やその他の眼内炎症が原因となり、炎症に伴う瞳孔周囲の癒着や排水路の閉塞により眼圧が上昇することがあります。
白内障手術後:白内障手術後、目の変化や薬物療法(ステロイドなど)が原因で眼圧が上昇することがあります。
糖尿病:糖尿病が進行すると、糖尿病網膜症が引き金となって眼圧が高くなることがあります。
腫瘍:眼内の腫瘍や視神経腫瘍(視神経膠腫など)が、眼圧上昇を引き起こす可能性があります。
ステロイド薬の使用:ステロイドをなんとなく使用していると、眼圧が上昇し、緑内障のリスクが高まることが知られています。
遺伝的な問題:他の病気(例えば、ピーターズ奇形、アクセンフェルト・リーガー症候群など)の影響で緑内障が発生することもあります。

 

症状

・眼圧の上昇に伴う視覚障害や視野欠損。
・目の痛みや不快感。
・頭痛や吐き気、視界のぼやけ。

 

診断

続発緑内障の診断には、眼圧測定や眼底検査、視点検査などが行われます。原因となる基礎疾患の特定は重要で、その治療が緑内障の管理に影響を与える可能性が考えられます。

 

治療

治療方法は、原因となる病気に応じて異なりますが、以下のような治療法が適用されます。
 

続発緑内障の治療法

眼圧を下げる治療
薬物療法:眼圧を下げるために、緑内障用の点眼薬(例、β遮断薬、プロスタグランジン類似薬、α2アドレナリン受容体活性薬など)が使用されます。
口服薬眼圧が非常に高い場合、口から服用する薬(例:炭酸脱水酵素阻害薬)も使用されることがあります。
手術療法
線維柱帯切開術(goniotomy):眼内の排液の流れを改善するために行う手術です。 特に眼内に物理的な障害(例、炎症や瘢痕)がある場合に効果的です。
緑内障手術(線維柱帯切除術) : 眼圧を下げるための手術です。続発緑内障においても、眼圧の管理が難しい場合に検討されます。
シャント手術: 眼内に小さなチューブを挿入して、眼圧を下げる方法です。 特に難治性の発緑内障に使用されることがあります。
基礎疾患の治療
続発緑内障は、他の病気の原因となるため、基礎疾患(例、ぶどう膜炎、糖尿病、目の外傷、腫瘍など)の治療が非常に重要です。
炎症の治療:ぶどう膜炎などの炎症が原因の場合、ステロイド薬や免疫抑制薬が使用されることがあります。
外科の治療:腫瘍や眼内外傷による眼圧上昇には、外科手術で原因を考慮することが必要な場合もあります。
定期的なフォローアップ
・続発緑内障はその原因となる病気によって進行が異なるため、定期的な眼科検診が必要です。眼圧の管理や視野のチェックを行い、症状の進行を監視します。

 

続発緑内障の予後

進行する緑内障は、初期に治療が行われないと視神経に深刻なダメージを与え、視力低下や失明につながる可能性があります。特に高い眼圧が続く場合は、眼圧を管理するための治療を早期に開始することが、視力を保護するための鍵となります。

 
続発緑内障は多くの優先事項が関わるため、個別の治療が重要です。早期発見と適切な治療が適切を守るために非常に大切です。

6.発達緑内障(はったつりょくないしょう)

はったつりょくないしょう

発達緑内障

発達緑内障は、主に子どもの発育過程で発生する特殊な緑内障の一種です。
隅角形成異異常が原因で発生することが多いです。
 

特徴(分類)

発達緑内障は、発症や時期に関連する異常の状態に基づいて以下のように分類されます。
早発型発達緑内障(初期発症型緑内障)

・概要生後1年以内に発症するタイプで、先天性緑内障(原発性先天性緑内障、PCG)に該当します。
・原因:主に前眼房角の発達異常(胎生期における排液構造の形成不全)。
・症状
  ・光過敏
  ・流涙
  ・角膜混濁
  ・牛眼(眼球拡大)
・特徴
  ・最も典型的な発達緑内障。
  ・初期から眼圧が高く、迅速な対応が必要です。

遅発型発達緑内障(遅発型緑内障)

・概要:幼児期や学童期に発症し、進行が比較的緩やかなタイプ。
・原因:前眼房角の異常が存在しますが、早発型ほど重篤ないことが多いです。
・症状
  ・視力低下
  ・部分的な視点の欠損
  ・進行する眼圧の上昇
・特徴
  ・診断が解決することがあり、学校検診や眼科での定期検査が重要です。
  ・眼圧調節や視覚保護のために手術や薬物療法が用いられる。

他の先天異常を伴うタイプ
このタイプでは全身的、または眼球の先天異常が認められることが多く、以下に分類されます。

(a)目の先天異常を伴う緑内障(例)
 ・Axenfeld-Rieger症候群:前房の構造異常と虹彩欠損を伴う。
 ・Peters奇形:角膜中心部の混濁や前房構造の異常が見られる。
 ・虹彩欠損:虹彩が部分的または完全に欠けている。
 
(b)全身疾患に関連する緑内障(例)
 ・Sturge-Weber症候群:血管腫を伴い、時々眼圧上昇を伴うことがある
 ・マルファン症候群:水晶体亜脱臼により眼圧が上昇することがある。
 ・ダウン症候群:発達緑内障が合併する場合がある。
 
(c)遺伝性疾患に伴う緑内障(例)
 ・低ホスファターゼ症Hypophosphatasia : 骨代謝異常を伴う病態の一部として発現。
 ・遺伝性虹彩異常:虹彩(目の色を決定する部分)に異常が起こる状態で、遺伝的な問題によって発生します。

 

症状

 ・光に対する過敏性
 ・流涙
 ・角膜の混濁
 ・目の異常な大きさ(拡大)
 ・戦闘の低下や展望欠損(進行性)

 

治療

早期発見が重要で、治療には以下が含まれます:

手術
 ・初期治療として選択されることが多い。
  例:線維柱帯切開術(goniotomy)、線維柱帯切除術(trabeculectomy)。
薬物療法
 ・眼圧を下げるために用いられるが、手術後の補助的治療として使用されることが多い。
観察
 ・病状の進行を監視し、適切な対応を行います。

 
発達緑内障は選択肢に大きな潜在性があるため、早期診断と治療が重要です。眼科専門医による定期的な検査を受けることが推奨されます。

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眼についての病気・基礎知識は、眼球の構造と役割、主な眼の病気、で構成されています。

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